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歯についての豆知識

続インビザライン・ファーストの話

こんにちは、院長の黒瀬です。

前回のインビザライン・ファーストの話の続きです。インビザライン・ファーストがどれだけ扱いにくいかご理解いただけたと思います。メーカーがなぜインビザライン・ファーストを世に出したのかというと一言で言えばマーケティングです。1年半という短い期限を設けているのは、それが終わった後に永久歯のインビザラインを更に有償で使用させることに繋げるためです。

おそらくメーカー側はファーストだけで終われないケースが多数出ることを分かりながら売り出しています。幼い年齢から患者をインビザライン治療に取り込み、取り込んだ患者を永久歯のインビザラインまで持ち込むことが彼らのビジネスに適っているのです。ワイヤーで治した方が断然確実であるケースが多いにも関わらずそれを安易に使うドクターの方もどうかしていると思います。売る側も使うドクター側も自分たちのやっていることが単なるビジネスなのかそれとも医療行為なのか、そこをきっちり考えて頂きたい。私は医療行為である以上、安易にインビザライン・ファーストを使うべきではないと考えています。

衛生士さんに営業トークで小児のインビザライン治療を勧められ、その医院にうんざりして当院に来られた方も見受けます。歯科治療は女性が説明すると自費治療の獲得率が上がると言われており、それを院内の営業として実践されておられるようですが、恥を知るべきだと考えます。患者さんはお客さんではありません。治る確率が高くないとわかっていながら営業をかけることは背信行為に他なりません。