「インビザラインだから抜かずにできるんですよね?」これも患者さんからちょくちょく聞かれることです。
矯正治療の歴史の中で抜歯、非抜歯は数々の論争を起こしてきましたが、装置が変わったから非抜歯でできるようになったなどということはありません。インビザラインで安易に非抜歯治療を行うと多くのケースで失敗します。
当院ではインビザラインの導入前からなるべく永久歯を残しながらきれいな口元に仕上げていく非抜歯治療を行っていますが、治療成功の1番の勘所は奥歯(特に6歳臼歯)のポジショニングになります。奥歯のポジションを元の位置に戻してやり、そのポジションをキープしながら他の前歯などを並べていくことが治療の流れになります。
インビザラインだけではその奥歯のポジショニングを達成することや位置をキープし続けることが難しく、他の装置を併用したりインビザラインの前に何らかの装置を使用して奥歯の移動をし、それからインビザラインを使用するケースも多くあります。
きちんとした診断、それに基づく治療計画が矯正治療には必要です。戦略的に治療を行わないといい結果はなかなか得られないものなのです。